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統合失調症経験者の雑日記

統合失調症経験者のお勧め 〜 対処①

 

診療室にきた赤ずきん―物語療法の世界 (新潮文庫)

診療室にきた赤ずきん―物語療法の世界 (新潮文庫)

  • 作者:大平 健
  • 発売日: 2004/08/01
  • メディア: 文庫
 

 家族が統合失調症になった。

周りはとても心配です。

私の母も「どうなってしまうのだろう」と慌てていました。

それほどまで幻覚がひどく、振り回されていたのです。

私にとって精神科での入院生活は苦痛なことでしたが、入院したことは結果としてよかったと思っています。兎にも角にも、ぐっすり眠らせてもらったからです。

それは、何よりの滋養でした。

逆に言えば、規則正しい生活、十分な睡眠、家でそれができるのなら、入院しなくても、薬の服用のみで大丈夫なのかもしれません。

 

診療室にきた赤ずきん 物語療法の世界

著者の大平健先生は、物語を鏡として使用しています。

久しぶりに読み返したのですが、悩みの深層を、物語を使って解き明かしていく手法と思いやりに感動してしまいました。

一旦幻覚に振り回されると、視野が狭くなり、自分のことを客観的に見れなくなります。周りからの言葉も、「分かってくれない」と聞き入れなくなってしまい、それはとても危険なことでもあります。

振り回されてパニックになっているような時は、薬や点滴で、一度症状を落ち着かせることはとても重要と思います。

そして、自分を客観的に見ることができたらいいのではないかと。(これはあくまでも私の経験からですが)外見や行動、そして段階を経て内面と向き合う。

鏡って本当に大事なんです。

(P194本文より)

幻覚や妄想のせいで、「生活を他人に妨害されている」と堅く信じるようになった患者というのは、まま、いるものです。たいていは「これから警察へ訴えでるつもりだ。」と言い、精神科医に同意を求めるのです。

ー 中略 ー

しかし、「王子と乞食」で学んだおかげで、私は次のように言えるようになったのです。「警察に訴え出るのはやめなさい。気違い扱いされるだけだから」

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お医者さんにそう言われたら、素直になって薬を受け入れてくれそうですね。

まずは心身を休めることができるわけです。

自身の言動、表情を客観的に見ることができるようになれば、幻覚、幻聴に振り回されることは軽減されていきます。

ご自身が、幻覚などの症状がある場合も、どうか、客観視する努力をしてみてはどうでしょうか。

ご本人、ご家族、共に、どうか苦しみが一生涯続くものだなどとの思わないでください。

 

さて、昔ながらの物語、これにはほとんど‘食’が絡んでいるそうです。

その紐解きが見事で、嬉しくなりました。

弱肉強食の論理は愛の論理には勝てない。そして、弱肉強食の世間で生き抜く知恵が詰まっている、とも。

本当にそうなんです。

 

実際、自然の恵み、命の恩恵に預かることは、心身を整えるのにとても大切なことです。

機械が作り、大量の化学物質が入ったスナック菓子ばかり食べていて、どうして心身の健康が保てるものかって最近気がつきました。

 

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世はグルメブームと呼ばれます。しかしたとえ友人、家族と美食の食卓を囲んでも人々の心が食べ物(の味)のみに向かっているのであれば、これまた赤ずきんの出番が封じられているようなものです。

(診療室にきた赤ずきん 本文より)

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コロナ渦の今、食べられるだけで幸せ、そんな素朴な食を噛みしめられたらと願うのです。

 

自家製キムチ、干し柿クルミ味噌

幻覚、幻聴に振り回されなず、さっとやり過ごし、日常をこなせることができるように、体調も整えましょう!

 

統合失調症発症するも再発することなく、過ごした方も登場しています!